電車は血で走る [演劇]

もともと小劇場系は観ないのだが、イキウメの前川知大さんという才能を知ったことで、小劇場に対する偏見が薄れた。

そして、今回、最近よく名前を見かける「鹿殺し」のチケットが割り引き価格で出ていたのと、タイトルから寺山修司へのオマージュかしら? と思ったのと、河野まさとさんが出演するってんで、観に行ってみたのだが・・・。


勘弁してください。


この劇団に対してなんの下調べもしていかなかったので、始まったとたん、「しまった!」と思った。
一番苦手なタイプだ。

あたしゃ、新感線も大人計画もWAHAHAも苦手なんである。
「いっしょくたにするな」というご意見もあるだろうが、私から観ればこれらの劇団は、共通点がひとつあるんです。
それは、「笑うために客がきてる」という。

芝居で感動したいとか、役者の演技に震えたいとか、演出に打ちのめされたい、とかではなく、ただひたすら意味もなく笑いたいがために、客が来ている、という。


つまりは、この「鹿殺し」もそれ系なんですね。
好きな人は好きなんでしょうけれども、私の嗜好とは対極にあります。運が悪かった。

なので、あの大音響(実際、鼓膜がぶるぶる震動する。破れたら訴えようかと思ったくらい)がまずイラっときて、次になぜか知らねど、不細工系の女優さんの顔立ちがこれまた、イラっとする人が多くて。

鉄ヒコ(演出もなさっていた)役の方を拝見していると、どうしてもブル・テリアを連想してしまい(個人的な感想です)。


去年、舞台を50本くらい観て、「8割方はクズ」という結論に達してから、今年は観る舞台は厳選していたから、ほとんど「当たり」の作品に巡り逢えたけれど、これは久々にハズレだわ。
10分おきに時計を見てしまう苦痛ったらば。

堤幸彦さんがブログに書いてましたね。でも、あれを褒め言葉と受け取ったら、この劇団に未来はないだろう。


うーん。
たとえ3000円強のチケット料とはいえ、新国立劇場のオペラが4000円で見られる世の中、本当にお金を無駄にしてしまった。

ああ、『カルメン』を観れば良かったよぅ。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。