あしたのジョー [映画]

21世紀なので、設定をいろいろ変えるのは構わない。
今の世の中いろんな圧力が多く、基本的にみんないい人になりたがっているから、まだ戦後が残っていた1960年代の湿った暗さが画面から出ないのは、百歩譲って看過しよう。

しかし。

白木葉子のキャラ付けは蛇足だ!

いらんいらん。あの時代のあらゆる女性がそうされていたように、白木葉子は床の間のお飾りでいーんだ。
ジョーの世界に、女は出る幕じゃないんである。

ヤマトの森雪も暴力女になってたし、『クローズZERO』にも余計な女の子キャラがいたなぁ。
女性観客動員を狙うという意図なら、的を大きく外れているよ。女だってフツーに格闘楽しむんだから、男の戦いの世界に女は目障りなんである。

白木葉子の生い立ち追加するくらいなら、もっと矢吹丈の悪逆の限りを尽くす暴れん坊ぶりを描いてほしかった。

それに、山下の美貌の前では、どんな女優も色褪せる。

って、いま気づいたんだが、香里奈と山下って、『カバチタレ!』で、恋人同士役だったではないか。高校生の。
あの頃の香里奈はハンパない美少女で、山下と遜色ないほどであったのに、年を経て普通の美人になってしまった、香里奈。
あと、彼女は庶民クサイ。

もとい。
『ハート・ロッカー』が痺れ死ぬほどカッコよかったのは、100パーセント男の世界を描き切っていたからである。さすが、女性監督が撮っただけある。

『あしたのジョー』を見ようと思ったきっかけは、メイキングを見たことである。
力石との決戦シーンで、伊勢谷のパンチを受けてしまった山下が、撮影再開後に気合いを入れるため、自分の顔をガシガシ殴っていた。

ああああ、あの綺麗な顔を自分で殴るなんて〜。
山下も男だったのね。
切ないまでの、萌。
ってなもんだ。

あと、同シーンの撮影で、「うぉぉぉぉー」雄叫んでいる山下。
オスだぜ、山下。

しかし、本編ではそんな山下ジョーは表現されておらず、計算された格闘シーンはそれなりに見られるものの、やはり作り物の感は否めない。
ガチの拳闘で、あのメイクは控え目すぎるだろう? アニメでは二人ともボコボコに腫上がってなかったっけ?
せっかく、あの綺麗な顔なのだから、ボコボコ血まみれが見たかった。

力石の体重測定シーンとか(マジびびった。ナチ収容所のユダヤ人レベル→つまり餓死寸前)、ノックアウトされたジョーなめ力石の構図とか、原作やアニメファンには「おおっ」と思うシーンはいくつかあったものの、ジョーの世界は刹那の美学だと思っているアタシとしては、もともと白木葉子というウザかったキャラが、さらに肉付けされて出てきちゃったのは、ひっじょーに残念であった。


あと、主題歌も残念。
なんで今更宇多田ヒカル?
尾藤イサオやジョー山中、それに替われる男性歌手が良かった。




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