血は立ったまま眠っている・2回目/シアターコクーン [演劇]

当日券、中2階の立ち見でいいや、と思っていたら、無欲だったせいか1番引き当てちゃって、中程やや前の下手席通路側(ここ重要)のS席券があったもんで、金ないのに買っちゃった。

前回は2階席だったので、1階席だと見えなかったものが見えてくる。
オペラグラス使わなくていいから、それぞれの役者さんの表情とか、動きとかが、全体的に捉えられた。

リピートしたのは、窪塚くんをまた見たい、というのもあったけれども、戯曲を読んで、やはりなんだかんだ言って寺山修司の言葉の運びはリズミカルで、脳に心地よいのだ。

「血は立ったまま眠っている」というフレーズも好きだが、子供の叫ぶ「ただいくら走っても走っても、去年の汽車に今年のおいらが乗ることはできないだろう」というも好きだ。

思い返せば、人は常に行き場のない怒りを抱えながら生きているのではないか?
自分ではどうしようもない現実と折り合いをつけ、それでも時折湧き起こる怒り。

この劇に惹かれたのは、そういう「何物でもなかったタダの人の怒り」が漲っているからだろう。
公衆便所にたむろするチンピラたちがその象徴だ。

それに反して、灰男、良、夏美のシーンは、いつも静謐なライトに照らされ、賛美歌のような音楽が流れている。
彼らは、「無垢」なのだ。
赤子のように。

倉庫のシーンのライティングは、教会にいるかのように美しいのだが、1階席前方までライトで照らしているので、とっても眩しいです。
なんで、観客が眩しがらにゃアカンねん。

ハッ。

眩しがらせる演出なのか?(穿ちすぎか)


窪塚くんは、ほんの何気ない動作が、それはもう身震いするほど格好よくて。
あれは演出や訓練で身につけられるものではなく、もって生まれたものなので、本当に羨ましい。

そして、前回はあまり見ていなかった森田くんも、近くで見るとさすがジャニ子、目が大きくてお肌がキレイだった。
遠目やテレビだと、おっさんに見えるのはなぜだろう? 近くで見るほうが、ずっと若かった。
演技も舞台演技が身に付いていて、どこで学んだのだろう?

ただ、良の狂気が、あまり出ていなかった。
これは、演出の意図があるのかもしれない。

良の狂気は、憎しみではなく、世界の崩壊で発動したのだろうか?
ならば良こそは、どこまでも無垢だったのだ。

それから、灰男たちの世界を壊しにくる男の役を演じた、大石継太さん、彼はもうベテランさんなので、六平さんたちと同様に安心して見ていられる役者さんなのだが、良たちを崩壊へ導くときの表情が絶品であった。
そのとき彼は、客席の通路で演技しているので、ほとんどの観客は大石さんを見ていないだろう。
もったいないことである。

あと、2回くらい見ようかな。←ハマった。


関係者席に勝村さんと唐沢さん。
劇場で遭遇するの、唐沢さんは4回目、勝村さんは3回目くらいである。
遭遇率が高いふたり(他に、高橋克実さん、いのうえひでのりさんもよく見かける)。
水野美紀さんもいらした。

六平さんがヒゲ剃っているシーンで、すごいウケていた笑い声、勝村さんの方から聞こえたのだけど、か、勝村さん?

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