ボルゲーゼ美術館展/東京都美術館 [アート]

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ちょうどテレビでカラバッジョの特集見た流れで。
カラバッジョの絵は欧米各地でもよく見ておるのだが、絵がぜんぜん好みじゃないのでスルーしてたら、カラバッジョの暴れん坊ぶりをテレビ特番で知って、俄然興味が出た。

カラバッジョって、絵を描いて金になったら、博打・ケンカ生活突入、果ては人殺してお尋ね者、38歳でのたれ死んだろくでなし。
人格と芸術的才能は微塵の関係もないことを、身をもって証明してくれたお方。

そのろくでなしが晩年に描いた作品が上野で開催している『ボルゲーゼ展』に来ていた。
作品名は「洗礼者ヨハネ」

ヨハネって、たしかサロメに「くびー、くびが欲しーのー」と言われて、冤罪かけられて処刑されちゃった聖人さん。
顔がね、少女好みの美青年だったらしいのね。

「洗礼者ヨハネ」の作品は、カラバッジョが殺人でお尋ね者になってから、その罪の軽減を頼むために、パトロンのボルゲーゼ枢機卿に贈ったものだという。

あのねー。

あのー。

ヨハネがね・・・どう見ても、「モデルに男娼つかっただろ?」ってかんじなのね。

少年なのに、肌色が悪くて表情も疲れているし。
カラバッジョなら、聖人のモデルに男娼使うのもあり得る。
もしかしたら、ボルゲーゼ枢機卿好みの男の子を選んだのかもしれない。

いろいろ想像すると面白い絵でござんした。


他の出展作品で印象に残ったのが、『支倉常長像』。
この絵、慶長使節団のくだりで、日本史の教科書に必ず載ってるので何度も見ていたが、「猿みたい」と思っただけであった。

しかし、実際の絵をみると、常長の身にまとっている小袖袴と羽織の美しさに驚愕した。
スペインの文献にも、常長の装いのまばゆさについての記録が残っているのだが、まさに伊達政宗の家臣である面目躍如。
見事な着物だ。
袴と小袖は純白の白絹に金色のススキの刺繍、羽織は同じく純白の白絹で金糸銀糸の鳥獣の刺繍。
足袋は金色に銀糸の刺繍。
肘当て(筒袖?)の刺繍や大小の装飾も、日本の技術総決算というレベル。

伊達政宗って、すんごいお洒落さんで、そのセンスは日本史上随一だと、個人的に思ってる。
彼が着ていた水玉の陣羽織のデザインを見たとき、瞠目したまま声でなかったよ。

あと彼は目立ちたがりだから、異国の使節に出すのに、たぶん政宗みずからあーだこーだ、衣装をスタイリングしたのだろう。
政宗の気合が感じられる常長のコーディネイトであった。

ああ、これが常長じゃなくて、片倉重綱だったらもっとよかったのにー。
政宗よ、せっかく肖像画が残る機会だったのだ、伊達家中、一押しの美青年を派遣してくれよ(いや、政宗が手放すはずないか)。


ボルゲーゼ美術館のは、アカデミックな作品が主なので、宗教・神話関係ばかり。
キリストや聖人の受難とかが何枚か続いたかと思うと、脂肪率48パーセント、推定体重94kgの寝くされてるヴィーナスがごろごろごろごろ。
関取のようなヴィーナスのオンパレード。

うえーん、ダヴィデがボウボウのヒゲ生やしてる~。
勘弁してくれよぉ。

ボルゲーゼ枢機卿とは趣味あわん。


『聖セバスティアヌス』・・・・童顔にムダな筋肉質の体・・・何かを思い出す、と思ったら、今週号のあんあんの表紙だった。
げー、そっくりだ、あの頭の小ささもー。
なんてデジャブー。



4月4日まで開催。

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